どの会社もそれぞれの評価制度をもっています。当社にも評価制度が有ります。
ただ、普通とはちょっと違うかも知れない。今回はそんな話です。
まずは一般的な評価制度がどのような物なのか見てみましょう。
1.何を見るか
業績評価:業績(KPI)や成果物による評価で、目標達成度やプロジェクトの状況などを見ます
行動評価:企業の価値観や行動規範に基づく評価で、チームワークや問題解決能力、顧客対応力などを見ます
2.誰が見るか
自己評価:自ら評価します
上司評価:直属の上司が評価します
360度評価:同僚や部下、上司、顧客など、複数のステークホルダーから評価を受けます
3.どのタイミングで見るか
年次:年度末が多いです
半期:年2回行います
四半期:4半期毎に行います
4.評価のプロセス
目標設定:年初や評価期間の開始時に目標を設定します
中間評価:評価期間の途中で進捗状況を確認し必要に応じて目標を修正します
最終評価:評価期間の終了時に最終評価を行い結果をフィードバックします
フィードバックセッション:上司と面談を行い評価結果を共有し、今後の課題や目標について話し合います
5.評価の活用
報酬に反映:評価結果に基づいて昇給やボーナスの額を決定します
キャリアアップに活用:昇進や異動の判断材料とします。能力や適性に応じたキャリアパスを設計します
能力開発に活用:評価結果を基にトレーニングや研修のニーズを特定し能力向上のためのプランを策定します
通常はこれらの評価手法から一部を選択して実施するものと思いますが、業績評価や行動評価の基準自体が曖昧で本当に自分が正しく評価されているのか疑心暗鬼になる場合もありますよね。
当社でもこういった評価手法ではありますが、それらの利点を活かし、基準や運用方法を明確にするという方針でやっています。
- いつ、誰が、どの様に行うのか
- どうやって評価するのか
- フィードバックとキャリアパスについて
この3点でご説明したいと思います。
いつ、誰が、どの様に行うのか
当社では個人面談という形で、従業員本人+役員で実施します。※ 当社には「部」や「課」、「係」などの煩わしい組織が無いので役員が対応します。体制が大きくなれば変わる可能性は有りますが・・・
まずは年末のタイミングで1回、ここで過去1年間の自己評価と次の1年間の自己目標を立てた上で、個人面談で内容の精査と会社からの評価調整を行います。また、同時にこれからのキャリアパスについての相談・要望の吸い上げと具体的なアクションプランを決めます。
次に約半年後の夏のタイミングで2回目を実施し、この半年間の振り返りと課題、今後半年間の動静や課題に対するアクションプランの決定、会社に対する希望の吸い上げを行います。
面談は基本的にQA方式で行い、大きな変化が有りそうな時は会社の方向性や目標の共有、認識合わせも行います。
どうやって評価するのか
当社では、IPA情報処理推進機構が出している「ITスキル標準(ITSS)」をベースに当社向けにカスタマイズした評価表を使用します。この業界で必要な職種カテゴリに対して、どんなスキルが必要か、というスキル要素を定義してこれに対して自己評価(点数化)を行います。
また、こういった技術評価と共に、会社の理念に共感し実践出来ているかを情意評価として同様に評価してもらいます。
これらの、技術評価と情意評価それぞれに重みを付けて最終評価としています。
この内容について、個別面談でキャリアアップの方向性や視覚的に弱い分野の分析を行うわけです。
情意評価を取り入れた理由は、MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)を構成するバリュー(行動規範)の実践を通して会社の理念を共有して頂き、チームとしてまとまりの有る動きが出来るようにという事から来ています。また、新卒社員の方はまだ技術が未熟でも有りますので、技術以外で評価する部分(=情意評価)も必要だと思っているためです。
フィードバックとキャリアパスについて
この様に、ITSSをベースとした個人評価を元に個別面談を行い、個人のキャリアパスの方向と事業指針を鑑みたうえで何が必要で何をすべきなのかを相談しながら進めていくようにしています。
キャリアパスという言葉が出ましたが、基本的には個人の適正と会社の事業指針に沿った内容でお話をさせて頂くことが多いですが、本人からの希望を蔑ろにしている訳では有りません。
現在、事業化出来ていない分野においても本人から進みたい方向の希望が有るのであれば、将来的な事業化を見据えて実務とはかけ離れた研修等を受けていただくこともしています。
最後に、当社では24時間365日受講が可能な研修制度を設けています。1時間程度のものから1週間など長期に渡るものや、ハンズオン形式の実技を含む研修まで、さまざまな技術研修を受け放題です。
例えば、初学者に適したITパスポートや基本情報、応用情報、マネジメント系や運用系、ベンダー資格に関するものまで幅広くサポートされており、業務の空き時間や、調整可能であれば業務の時間を切り詰めて受講頂く事も可能となっています。また、内容に不足感が有るようであれば、別途希望の研修を受けることも可能です。
個別面談を通して見えたキャリアパスや自分が不足していると思う技術領域について、個別面談のフィードバックとこういった研修制度を活用することで、エンジニアとして成長して行って頂きたいと思っています。
2024年8月7日 手塚 幹人
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